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〝キミがコーヒーギフトをくれた〟

  • 2020年9月22日
  • 読了時間: 2分

〝キミがコーヒーギフトをくれた〟



 キミがコーヒーギフトをくれた。

知識の無い僕はこう思った。母が好みそうだなと思った。

値段は聞かないでと言われたので、尋ねなかった。

丁寧に3種類の粉が密封されており、使い切りタイプだった。

〝こす〟ための紙でできたドリッパー(?)なるものも入っていた。

虚をつかれたプレゼントであったために喜びよりも戸惑いが勝った。

だがキミがくれたコーヒーギフトである。飲まなければと思った。

ウィスキーの時と同じだった。いつか詳しくなろうとは思うけど、

日々が自分のことしか見えてないくらい精一杯だったので、

どういうコーヒーが美味なるのかがわからなかった。

コロンビアなのか、コロンブスなのかわからなかった。

アメリカ大陸も発見できなかったのである。

私は不器用ながらも、休みの日の昼下がりにお湯を沸かした。

私生活ではお仕事と執筆活動の時にコーヒーにはお世話になる。

気分を高揚させるための砂糖とカフェインが必須だったからだ。

だから、質の悪い缶コーヒーで差し支えなかったし、

眠気を吹き飛ばすためにそれらは仕方ないことだと思った。

なんにせよ。これはちゃんとしたコーヒーなのだ。

お茶うけ、のようなお菓子は四角推のチョコレイトの駄菓子であった。

少しだけミルクも入れた。専用のミルクではなく市販の牛乳だった。

また今度しっかりしたミルクを買ってくるからそこは勘弁してもらいたい。

私はその黒い液体を口に含んだ。

人生で初めて〝他人からの贈り物〟だと自覚してコーヒーを含んだ。

斜め下にスッと余韻が落下した。

苦さが心地いいというよりも、そもそも苦くなかった。

熱と香ばしさと、喉の斜め下にすんなりと落下する感覚が、

私に苦みという感覚を通知させなかったのである。

1杯目の半分をゆっくり飲み終わった頃に、

ようやく持って時間差で、私は思ったことがあった。

チョコレイトと交互に食べ、思うところがあった。



落ち着くなぁ……


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